土地の近くにお墓や霊園があると、引っ越しや購入を検討する際に心配になることが多いですね。
お墓は一般的に「死」を連想させ、良くないイメージを持たれる傾向があります。
しかし、お墓は先祖への感謝やご縁を大切にし、語りかける場所でもあります。
現代人が自分ひとりで生きていると感じがちですが、お墓参りに行くことで先祖の存在を思い出し、支えてくれた人々に感謝する場でもあります。
このような役割を果たすお墓ですが、家の近くにあることで何か悪い影響があるのでしょうか。
このページでは、家相や風水の観点から、墓地の近くの家に住むことをどう考えるべきかを解説しています。
家の隣が墓地ってどうなの?
お墓の近くに家やマンションを建てると、窓やベランダからお墓が見える場合があります。
このような状況になると、「気味が悪い」「運気が下がる気がする」と感じる人もいます。
墓地は寺院の境内にある場所を指し、霊園は寺院の敷地外に設けられた墓地のことです。
お墓が近くにある物件は、購入を迷う人が多いため、通常よりも安く売られることがよくあります。
霊園がある土地の周辺環境は、大抵は悪くないです。
立地や環境は良いけれども、お墓が近くにあるため価格が安くなる場合、予算を家に充てたいと考える人にとっては魅力的な物件になるでしょう。
なんで霊園の近くは環境がいいことが多いの?
なぜ霊園の周辺環境が悪くないのでしょうか。
それは昔からお墓を建てる際には、見晴らしが良く、静かで落ち着いた場所を選ぶことが一般的だったからです。
そのため墓地の近くでは騒がしいことはありませんし、将来的に繁華街になることも考えにくいです。
通常、静かで落ち着いた環境が保たれやすいです。
また景観の美化のために、街路樹や環境が整備されています。
さらに、土地が手ごろな価格で手に入るため、広い敷地を確保したり、建物に予算を充てることができるのも魅力的です。
そのため全国的に見ても霊園の近くは高級住宅地になることが多いのです。
風水的にお墓の近くって良くないの?
お墓の隣の家は、穏やかで静寂な環境であり、住むにはさほど問題がない場合が多いです。
ただし、不安や心配の気持ちも理解できます。
墓の横の家では気分が不快になったり、何かの影響を受けるのではないかと心配になることもあるかもしれません。
そこで、家相や風水の観点から考えてみましょう。
風水におけるお墓の考え方
一般的な風水の理論によれば、お墓を「陰宅」とし、人が住む家を「陽宅」と呼びます
陰と陽は相反する性質を持っているため、お墓の近くの土地は避けるべきだとされています。
また、「玄関からお墓が見えると良くない」とか、「窓からお墓が見えると良くない」とも言われています。
これは、ドアや窓から陰のエネルギーが入ってくると考えられているからです。
特に自宅から30m以内にお墓がある場合、強い陰の影響を受ける可能性が高まり、好ましくない立地条件とされ、避けることが推奨されます。
このような考えから自宅の敷地内に墓を設置するのも風水的には好まれません。
家相におけるお墓の考え方
ただし、家相の観点からは、異なる考え方があります。
自分の住む土地にお墓がどの方位にあるかで評価するのです。
隣の土地にお墓があるとか、自分の家の裏にお墓があるといったことは判断の対象とはしません。
窓からお墓が見えることや、横にお墓があることを悪いとは考えません。
例えば、「家の北にお墓がある場合、どのような生活になるのか」という観点で評価していきます。
周辺環境をあわせて考える
家相の根本である九星気学風水では、全ての物事をエネルギーの象徴物に置き換えます。
お墓はその一環で、「山」として捉えられます。
健康的で幸福な生活のためには、太陽の光が家に自然に入ることが理想的だとされています。
この考え方に基づくと、太陽は東から南に向かって昇ります。
東から東南を通り南に向かう光は非常に前向きで発展的なエネルギーを持っています。
東から南に高い山があると、朝日の明るい光が遮られてしまいます。
この理論から、「東、東南、南」には山がない方が好ましい方位です。
家の南側に墓地はない方がいいとされています。
逆に北西や西には山があると、強い西日を遮ることができます。
なので家の西側にお墓があるのは良いですね。
また、北は元々日照時間が短く暗い方角であり、山があっても問題ありません。
このように、「太陽の光が自然に家に取り込まれるかどうか」という観点からみると、お墓の存在が好ましい方位があるのです。
お墓があるとよい方角
これまでに述べたように、九星気学風水が家相の基盤となる考え方では、家の近くにお墓があること自体を悪いとは見ていません。
重要なのは、それが自分の所有する家に対してどの方角に位置するかだと考えています。
例えば、考察している土地から見て、お墓が北側にある場合、人間関係が円滑になり、何か危機が迫った際には必ず助けが現れるとされています。
逆に南にある場合、正午の太陽の強力な光が遮られると考えられています。
南の明るい太陽の光は、すべてを照らし、明快に示してくれるとされています。
この力が遮断されることで、将来が読みにくく、不安を抱える生活になるというのです。
もしもお墓が東側に位置している場合、朝日が昇る時間帯に明るい光が入りにくくなると考えられます。
実際には、自分の家が比較的高い場所にある場合でも、朝日のエネルギーは遮断されると見なされるのです。
その結果、東側に関連付けられる積極性や前向きな考え方、チャレンジ精神などが影響を受けるとされています。
こうした理由から、お墓が近くにあることが必ずしも悪いとは考えられません。
まず最初に、お墓が自分の家から見てどの方角にあるのかを確認することが重要です。
もし検討している土地から見て、お墓が東側から南側に位置している場合、購入を見送ることを検討してください。
しかし、北側か西側にある場合は、購入しても問題ありません。
お墓の横にある場合は?
土地の隣や裏にお墓がある場合でも、適切な方位であれば問題ありません、と述べました。
しかし、お墓が近くにあっても気になる場合は、生け垣やフェンスを設置して、気の侵入を防ぎましょう。
生け垣やフェンスを敷地の境界に立てることで、自分の土地に結界を築くことができます。
結界とは、仏教用語で悪影響を与えるネガティブなエネルギーを遠ざけるエリアを指します。
最もおすすめするのは生け垣です。
植物は成長する過程でお墓の気を吸収しますが、適切な選定や手入れが必要です。
時間がない方は、アルミフェンスでも問題ありません。
まとめ
お墓の近くの家、または検討中の土地に墓地がある場合、何か悪い影響があるのではないかと心配になることがあります。
しかし、家相の観点では「お墓の存在」自体が生活の質に影響を与えるとは考えません。
重要なのは、敷地に対してお墓がどの方角にあるかです。
方角によっては、墓地や霊園が近くにあることが、逆に良い環境である場合もあります。
北か西に墓地や霊園がある場合は好ましい環境となりますが、逆に南か東にお墓がある場合は良くありません。
重要なのは、お墓の位置や距離よりも、家相や引っ越しの方角やタイミングです。
お墓が近くにあるからといって、必ずしも悪いことが起こるわけではありません。
家相が良くなかったり、引っ越しの方角やタイミングが不適切だったりした場合、お墓の有無にかかわらず不幸に見舞われる可能性があります。
もし何か不具合がある場合は、お墓のせいにするのではなく、物件や引っ越しの方角やタイミングを再考しましょう。